大家重夫の世情考察

中国政治事情

第6章 江沢民総書記の時代 ≪第1部 中華人民共和国小史≫

鄧小平は、胡耀邦、趙紫陽を使い捨てた後、陳雲の推す江沢民を選んだ。江沢民は、日江世俊の3番目の子で、叔父江上青の養子になり、南京中央大学(のち、上海交通大学に統合される)に学んだ。その出自から、用心深く、き真面目な有能な官僚であった。とくに特定の派閥に属さず、鄧小平は気に入った。
江沢民の祖父は医者で金持ちで、揚州を中心に揚子江を上下する貨物船を船会社のオーナーの1人で、その長男江世俊である。鳥居民「『反日』で生きのびる中国」(草思社・2004年)164頁は、江の5番目の弟、末弟である江上青(本名、江世候)は共産党に入っていたが、1939年、(匪賊に)狙撃され、28歳で死亡した。江世俊は、次男の江沢民を弟、江上青の跡取りに据えた。江上青の友人に王道涵もいて、江沢民は、抗日革命根拠地の創始者の遺児ということになった。鳥居民は、江沢民の父親江世俊は、「文化人といった生活を送り、生業を持たなかった。」(前掲書166頁)とした。
2015年、読売新聞記者を退職した加藤隆則「習近平暗殺計画」(文藝春秋・2016年)32頁は、「江氏の父親が抗日戦争時、日本に協力した『漢奸(売国奴)』」「実父の江世俊が日本軍の反中宣伝機関の高官」であったこと、江沢民の父親が漢奸で、江沢民に経歴詐称があるとの論文を発表した呂加平氏が懲役10年の刑に服していたが、習近平が特赦を認め、2015年3月、党幹部の内部会議で呂氏釈放を報告させた、と報じた。
「江氏が必要以上に反日的態度を表明してきたのも、漢奸の血筋を負い目に思う屈折した感情の裏返しであるとの指摘がある。」と加藤隆則氏が述べるが、江沢民が、総書記在任中にこの情報が日本人に知られていれば、日本、日本人は、心理的に優位な気持ちで接することが出来たと思う。

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中国政官データ[2016年5月版]

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)のご紹介

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)の写真

2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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