大家重夫の世情考察

中国政治事情

第3章 軍閥時代ー1945年、日本の敗退まで - 前編 - ≪第1部 中華人民共和国小史≫

1911年(明治44年)、清で辛亥革命が起こる。

1912年、孫文が南京で中華民国臨時大総統に就任する。清の宣統帝(溥儀)(1906-1967)が退位し、清朝が滅びる。袁世凱が北京で、中華民国代総統になる。

1913年、日本が中華民国を承認する。

1914年4月16日、日本では、政党である政友会が勢力を持ち始めたが、元老達は、明治維新の元勲だったが傍系というべき大隈重信を総理大臣にした。大隈は、1898年に一度総理をしており、二度目の総理で、外相に加藤高明(三菱財閥、岩崎弥太郎の女婿)を任命した。
1914年6月26日、オーストリア・ハンガリー帝国帝位継承者(皇太子)がセルビア 人の急進民族主義者にサラエボで暗殺されたことを切っ掛けに、第一次世界大戦が始まった。日英同盟を結んでいた日本は、ドイツ領の青島、膠州湾を占領する。

1915年(大正4年)1月、第二次大隈重信内閣は、袁世凱政権に対し、21カ条の要求をした。その内容は、山東省のドイツ権益を日本が譲り受ける、日露戦争で日本が  ロシアから得た旅順・大連の租借権の期限を99カ年延長する等であった。
5月9日、袁世凱政権は、中国中央政府に政治・財政及び軍事顧問として有力な日本人を雇傭するという第5号を除き、要求を承諾した。
中国民衆は、大いに憤激し、抗日運動が始まった。東京の大学、専門学校に在学していた中国青年は約5000人であったが、殆ど全員、帰国するか米国へ転学した(前田蓮山「歴代内閣物語(下)」(時事通信社・1961)105頁)。

尾崎護「吉野作造と中国」(中公叢書・2008年)は、「対日二十一条要求」の経緯をほぼ3頁にわたり述べた後、吉野作造が、当時中国の学生達の反日デモについて、「その行動はともかく、趣旨について理解を示した」1人であるという。すなわち、吉野は(日本では、政権を握っている「侵略の日本」と、日本国民の多数の「平和の日本」とがある。中国学生達が反感の矛先を向けているのは「侵略の日本」で、この事を知ったら、中国の反日は止む」であろう。「冷静に彼等の真の要求を考えて見る時に茲に彼我の間に、共通のある一つの生命の発芽を認めることが出来る。」とし、日本には、「侵略の日本」と「平和の日本」の2つがある)と論じたという。(「支那の排日的騒擾と根本的解決策」吉野作造選集(岩波書店)9巻245頁)。尾崎は、日本敗戦の時、中国要人が、「悪いのは日本の軍閥」で、「日本国民」でない、との発言に「吉野作造の議論を思い出させる」として、「吉野作造と中国」を著した。
 西尾幹二は、「『対日二十一カ条』要求のあのころから」日本人の驕り「ぼつぼつ始まり」、「日本人の倨傲と油断はあのころから一貫して敗戦までつづく」(「日本はナチスと同罪か」(ワック・2005年)45頁)という。たしかに日本人は、日露戦争に勝利し、日本全体が驕慢になっていた。


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中国政官データ[2016年5月版]

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)のご紹介

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)の写真

2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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