ウエブサイトが検索結果上位に表示されるようにする義務の不履行により損害を被った等とする債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求及び不当利得返還請求が棄却され、その反訴であるリース料金及び割賦販売代金の請求が認容された事例である。
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンの検索結果ページにおいて、ホームページ(以下、HP)が表示される順位を上げる手法をいう。この表示される順位を上げるということが実現できるのか別として、そういう契約がなされた。 この事件は、その契約がなされたのに、実際に達成できなかったとして、原告会社X1が、インターネットHPの制作を請負った被告会社Y1などを訴えた事件である。
原告X1は、療養術、整骨院の経営、整体師の育成、専門学校の経営等を目的とする会社(前身は、小林整骨院)で、原告X2は、その代表取締役である。 被告Y1((株)アールエム)は、インターネットプロバイダ業、インターネットホームページの企画、立案、制作等を業とする株式会社である。
X1は、傘下に整骨院などを置いているがそれらのために、Y1と、平成18年11月15日から、平成20年5月8日までの間に、コンピュータ・ソフト等の「供給契約」を結び、その際、X1は、次の会社とリース契約若しくは割賦販売契約を締結し、X2がその保証人になった。リースの年数は、それぞれ4年、5年とまちまちである。
被告Y2(三井住友ファイナンス&リース(株))、被告Y3(NECキャピタルソリューション(株))、被告Y4(イデアカード(株))、被告Y5((株)ビジネスパートナー)。
X1は、平成22年11月の支払日以降のリース代及び割賦販売代を支払わなくなった。
X1は、Yらに対し、X1のウエブサイトが、検索エンジンにおいて、検索結果ページの順位が上がるように工夫するというSEO対策を行うとの供給契約に基づき、その債務を負っているのにこれを怠ったこと、これにより損害を受けたとして、債務不履行、不法行為(共同不法行為等)に基づく損害賠償を請求した。予備的に本件各供給契約が公序良俗違反、錯誤、詐欺取消又は心裡留保により無効であることを前提に、既払金等の不当利得返還を請求する本訴を起こした。
Y2ないしY5は、X1及びX2に対し、リース契約及び保証契約等に基づき、期限の利益喪失を前提に残りのリース代金等の支払を求める反訴請求を提起した。
[争点]
[大阪地裁の判断]
(判決主文)
そもそも検索エンジンの検索結果ページにおいて、順位を上げることが可能であろうか、それがよく分からない。