ハワイの写真家の写真が、日本の旅行業者のブログに無断転載された事件である。
原告X1は、米国国籍のハワイ州在住の職業写真家である。
原告X2は、ハワイの美術品販売のほか写真のライセンス事業を業務とするハワイ州の法律に基づく有限責任会社である。
X1は、「夕暮れのナパリ海岸」(写真1)と「たそがれ時のサーファー」(写真2)の写真を米国で最初に発行した。
被告Yは、東京都に住み旅行業を営み、ブログも運営している。
Yは、平成23年1月10日および同年2月4日、その運営する「旅の料理人、…」と題するブログにおいて、インターネットからダウンロードした写真1と写真2を掲載した。
X1は、Yに対し、X1の写真1が許諾していないに、使用されているとして、甲弁護士を通じて、写真1の削除と10万円の支払いを求めた。Yは、1万円を送付し、経営体力がなく10万円は払えないという文書を送付した。甲弁護士は、Yへ、1万円では和解に応じられない、写真2の存在も判明したので、写真2の削除と損害金残額の19万円の支払いを求め、著作権(複製権、公衆送信権)侵害の訴訟を提起した。
被告Yは、(ヤフーサイトで、「画像ハワイ」と入力し検索し、検索結果の画面(乙4)が出てきたので、NO PICTURE や著作権者のサインの記載があるのもを除き、2枚の写真を選択した。その出展元は、壁紙Linkの「世界遺産と世界の風景デザイナーズ壁紙」というカテゴリーで)(その中には「サイトで海外のショップでフリーの素材として販売していたもの」「無料でダウンロードした壁紙ハ、デスクトップピクチャーとして、あなたの生活に憩いを与えてくれるでしょう。また、ホームページ素材としてお使いください。」との記載があった。)。Yは写真をブログに掲載した手順は、「ヤフーハワイ検索から本件写真をピックアップ」「1つを画面上でクリックすると写真が現れる、下のリンクをクリックすると写真が現れる。出典元の確認をするため画面(写真の上で)をクリックすると写真が現れる。この壁紙Linkで消費者の被告がフリー素材であると『誤認』するような記載があった。次ぎに、写真の上にカーソルを合わせ、名前を付けて画像を保存した.最後に、自分のブログに画像をアップした」と述べた。
東京地裁民事29部大須賀滋裁判長は、次のように判断した。