弁護士発信者情報請求事件

2015年12月10日

弁護士の名誉を毀損する情報がホームページに掲載され、インターネット・サービス・プロバイダへ発信者情報の開示請求をし、認められた事件である。

東京地裁平成17年8月29日判決(平成17年(ワ)第1876号判タ1200号286頁)

原告Xは、第2東京弁護士会に所属する弁護士である。
被告Y(ヤフー株式会社)は、プロバイダ業等を営む株式会社である。

  1. 平成16年11月1日から同月26日の間、Yのサーバー上に開設しているホームページに、「私たちにとってXらは、お金のために、何の関係もない私たちを利用し、沢山の幸せを奪い取るという精神的な虐待をした、恐喝犯でしかありません」等の文章(本件各侵害情報)が掲載された。
  2. Xは、平成16年11月5日付けで、Yに対し、発信者情報の開示を求めた。
  3. Yは、本件ホームページの開設者に、平成16年11月16日、本件発信者情報をXへ開示することについて意見照会をした。同年11月23日、開設者は、Xへ、同意しないと返答した。
  4. Yは、平成16年11月27日、本件ホームページの掲載を一時的に停止し、同月30日、Xに対し、直ちに開示請求に応じられない、と返答した。

 平成17年2月2日、Xは、Yへ、発信者情報を開示せよと訴えた。

[東京地裁]
第31民事部金子順一裁判長は、次のように判断した。

  1. Yは、別紙発信者情報のうち、別紙発信者情報目録記載の3、4,5の各情報のみを保有している。
  2. 本件各侵害情報は、プロバイダ責任制限法4条1項1号の権利侵害要件を具備している。
  3. 原告Xには、同法4条1項2号所定の本件各侵害情報の開示を受けるべき正当な理由がある。

[判決主文]

  1. 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載3ないし5の各情報を開示せよ。
  2. 原告のその余の請求を棄却する。
  3. (省略)
原告弁護士が、発信者情報、誰が書いたか、知りたいという気持ちもわかる。