コンピュータウイルスを受信、実行させるなどの行為がパソコンのハードデスクの効用を害したとされ、器物損壊罪に当たるとされた事例である。
本件は、いわゆるイカタコウイルス(又はタコイカウイルス)と呼ばれるコンピュータウイルスをインターネット上に公開して被害者に受信、実行させた行為が器物損壊罪に問われたものである。
器物損壊罪の「損壊」が物の物理的破壊に限らず、効用喪失を含むとしている(飲食用のすき焼き鍋や徳利に放尿する行為を器物損壊罪にした大審院明治42年4月16日刑録15巻452頁)。本判決は、
として、器物損壊罪の成立を認め、岡部豪裁判長は、被告人を懲役2年6月に処した。「刑法第261条 前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」