大家重夫の世情考察

弁護士法人ウエブサイト写真無断使用事件

弁護士法人のウエブサイトが、写真の無断使用をしたため、写真の著作権管理団体と写真著作権者から不法行為として訴えられ、損害賠償をした事件である。

東京地裁平成27年4月15日判決(平成26年(ワ)第24391号)

 原告アマナイメージズは、ビジュアル・コミュニケーション事業、エンタテインメント映像事業等を行う株式会社で、写真、イラスト、映像機材など2500万点以上のコンテンツを揃え、利用者が。これらのコンテンツを購入、ダウンロードできるサービスを提供している。原告A,原告B,原告Cは、いずれも写真家である。

 被告弁護士法人は、「ボストンローファーム」の名称でウエブサイトを運営していた。
 被告は、そのウエブサイトに6枚の写真を、平成25年7月頃から平成26年1月頃まで使用した。
 この6作品は、原告アマナイメージズが著作権を、原告A、B、Cが著作権及び著作者人格権(氏名表示権)をもつものであった。
原告アマナイメージズは、被告へ、28万1440円、原告Aは、22万1600円、原告Bは、21万7280円、原告Cは、21万7280円を支払うよう被告に請求、訴訟を提起した。

 東京地裁地裁民事29部嶋末和秀裁判長は、

  1. 被告は、原告アマナイメージズに対し、19万6400円
  2. 被告は、原告Aに対し、4万6000円
  3. 被告は、原告Bに対し、2万9800円
  4. 被告は、原告Cに対し、1万1000円の支払いを命じた。

(5,原告等のその余の請求を棄却した。6,訴訟費用の負担(省略。)

弁護士法人の従業員が、写真について著作権等の調査確認の義務を怠った。
原告Cは、写真5について、損害の立証をしなかった。裁判所はCの著作権又は独占的利用権の侵害を認めず、Cへは、氏名表示権侵害1万円、弁護士費用1万円のみを認めた。

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中国政官データ[2016年5月版]

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)のご紹介

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2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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