大家重夫の世情考察

グーグル検索サイト削除決定事件

グーグルの検索サイトにかって不良グループに属していたこと関する情報が表示されていたため、グーグルに削除を求め、削除を求めた237件のうち、122件について削除の仮処分を決定した事件である。

東京地裁平成26年10月9日決定(朝日2014年10月10日1面、毎日2014年11月09日)(尾村洋介)(http://newsphere.jp/national/20141014-1/

 グーグルの検索エンジンで、自分の名前を検索すると、検索結果として表示される見出しと検索先の記事の一部を表示する「スニペット」にかって不良グループに属していたことに関する情報が表示され、すでにこのグループとは全く関係がないが、融資を申し込んだ銀行から「風評被害対策をしなければ融資できない」と指摘され、グーグルに対し、検索結果237件の削除を求めた。

 関述之裁判官は、「検索結果の一部はプライバシーの一部として保護されるべきで、人格権を否定している。検索サイトを管理するグーグルに削除義務がある」と認め、検索結果から『男性は素行が不適切な人物との印象を与え実害も受けた』として男性側の請求を認め、約230件のうち、およそ半数の237件の削除を命じた。

朝日新聞は、1面トップで「グーグル検索結果削除命令」「名前入力で犯罪思わせる内容」との見出し、6段記事で報じた。
 この事件の弁護人神田知宏弁護士は、後掲「ネットが怖い」40頁以下でEU裁判所2014年5月13日判決を知り、訴訟を提起し、5月後、この決定を得た、と述べている。

[参考文献] 神田知宏「ネット検索が怖いー『忘れられる権利』の現状と活用」(ポプラ新書・2015年5月7日)45頁。
尾村洋介「http://mainichi.jp/feature/news/p20141109mog00m040005000c.html
福井健策編「インターネットビジネスの著作権とルール」(著作権情報センター・2014年)252頁(池村聡執筆)


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中国政官データ[2016年5月版]

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)のご紹介

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2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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