大家重夫の世情考察

「PLUS」発信者情報事件

被告のレンタルサーバーに記録されたウエブページによって、商標権侵害及び不正競争防止法の営業上の利益を侵害された原告が、プロバイダ責任制限法に基づき、被告が保有する発信者情報の開示を求め、認容された事件である。

東京地裁平成24年6月28日判決(平成23年(ワ)第37057号)

原告は、オフイス家具、オフイスインテリア用品、文具、事務用品等の製造、販売等を行う株式会社で、「プラス株式会社」という。
被告は、インターネットを利用した情報提供、ドメイン取得サービス、レンタルサーバーの提供等を行う株式会社paperboy&co.で、インターネット上で不特定多数の者に対する送信をすることを目的とするレンタルサーバーを保有している。

平成23年8月迄に、被告のレンタルサーバーに、「+人材派遣プラスPLUS」「人材派遣プラス+」および「Plus」なる標章が記載されたウエブページの情報が記録された。

原告は、このウエブページの記録は、

  1. 原告の商標権侵害である。
  2. 不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為である。
  3. 不正競争防止法2条1項2号の不正競争行為である、

と主張し、発信者情報の情報開示を求めた。

東京地裁民事47部高野輝久裁判長は、2)の主張を採り、原告の「PLUS」の表示(商品等表示)は、需要者の間に広く認識されていたと認め、被告が、ウエブページ上でその営業を表示するものとして、本件各標章を使用する行為は、不正競争防止法2条1項1号に該当し、原告の営業と混同を生じさせるもので、原告の営業上の利益が侵害された、とし、原告が、損害賠償請求権を行使するため、発信者情報が必要で、その開示を受けるべき正当な理由がある、とし、被告は原告へ、「別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ」と命じた。

この事件では、原告は、被告へ開示を求めなくても、人材派遣会社の住所代表者等を把握できたのではないだろうか。

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中国政官データ[2016年5月版]

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)のご紹介

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2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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