大家重夫の世情考察

「クラブハウス」商標事件

原告Xが第32類の「加工食料品」等を指定商品として、「クラブハウス」を商標登録をし、原告のメールマガジンにおいて使用していたが、特許庁は、その表示使用行為は「商標の使用」とは認めず、取消の審決を下したが、知財高裁で、メールマガジン、Web版の使用は、「商標の使用」と認め、審決が取消された事例である。

知財高裁裁平成22年4月14日判決(平成21年(行ケ)第10354号)

原告X(ハウス食品株式会社)は、「CLUBHOUSE」の欧文字と「クラブハウス」の片仮名文字とを上下2段に横書きしたものを、昭和62年2月9日登録出願し、第32類「加工食料品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年5月31日に設定登録がなされ、平成12年2月1日、平成22年2月2日にそれぞれ、商標権の更新登録がなされ、商標権は有効に存続していた。
被告Yは、平成21年3月2日、商標法50条1項の「継続して3年以上日本国内において」商標権者等が指定商品、指定役務について、「登録商標の使用」をしていないならば、何人もその商標登録を取り消すことについて審判を請求できる、との規定に基づいて、不使用による取消審判を請求した。
特許庁は、審理し、平成21年9月25日、「登録第2230404号商標の商標登録は取り消す」との審決をした。審決の理由は、Xのメールマガジンにおける「クラブハウス」標章の表示行為は、商標法2条3項8号に該当せず、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内で、商標権者等がその請求に係る指定商品についての「本件商標の使用」をしていない、というものであった。

Xは、特許庁の審決の取消を求め、知的財産高等裁判所に提訴した。

[知財高裁]
第4部滝澤孝臣裁判長は、「原告Xは、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、加工食品を中心とする原告商品に関する広告又は原告商品を内容とする情報であるメールマガジン及びWeb版に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付し、これを電磁的方法により提供したものである。」この行為は、「商標法2条3項8号に該当する」とし、特許庁が「平成21年9月25日にした審決を取り消す。」との判決を下した。

[商標法2条3項]
この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
一、商品又は商品の包装に標章を付する行為
(省略)
八、商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為

アリカ事件(2011-6)は、登録商標の使用をしていないとした。2005-6(IP 事件)、2009-2(ID事件)参照

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中国政官データ[2016年5月版]

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2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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