2012年6月にドイツのベルリンで開催された第13回欧州リウマチ学会「EULAR2012」での発表内容から、私たち患者の視点に身近な内容をいくつかピックアップしてご紹介します。
■ライフスタイルから炎症性多発性関節炎(IP)のリスクを評価
シンガポールのDepartment of Medicine National University Health System のM.Lahiri氏らの発表によると、喫煙や飲酒の状況や出産暦、授乳期間などのチェックにより、炎症性多発性関節炎(IP)のリスクの高低が評価できるそうです。
<発症リスクが高い要因>
男性:喫煙量(多いほどリスクが高い)、肥満、糖尿病
女性:喫煙、出産暦2回以上
<発症リスクが低い要因>
男性:飲酒、地位の高い職業につくこと
女性:授乳期間(6ヶ月ごと長いほどリスクが低い)
■関節リウマチ患者の約半数は運動習慣なし
Diakonhjemmet Hospital(オスロ)のT.Uhlig氏らの発表によると、ノルウェー国内の間接リウマチの患者を調査した結果、45.7%と半数近くが運動の習慣が全くなかったという。
年齢層が上がると継続的な運動習慣をつけることは困難ではあるが、運動習慣がない患者は、ある患者と比較して痛みや疲労感が強く、身体機能が悪いなどの結果が出たという。
■早期閉経のリウマチ患者は重症になりにくい
スウェーデンのRheumatology Clinical SciencesのM.Pikwer氏らの発表によれば、閉経が45歳以下の早期閉経の女性は、関節リウマチの発症リスクが高いと言われているが、正常閉経の人に比べて重症化しにくく、多くは軽症であることなどが明らかになったという。
また、上述の炎症性多発性関節炎(IP)の研究結果と異なり、関節リウマチを対象としたこちらの研究では、授乳期間による重症度の違いは見られなかったという。
このように、禁煙や適度な運動習慣など一般的に「健康によい」とされている要素は、リウマチのリスクを低減させるようです。しかし、飲酒が「炎症性多発性関節炎(IP)」のリスクを低減させるというのは、興味深い結果ですね。
以前、本サイトでご紹介しましたが、「関節リウマチは早期に専門医を受診することが重要」です。最近では発症早期の投薬により臨床的寛解(※1)まで回復できると言われています。
心当たりの方は、早期に専門医の受診をお勧めします。
■プラチナコミュニティ トレンドキャッチアップ
関節リウマチは早期に専門医を受診することが重要
http://www.intx.co.jp/platinum/trend_catch/post1395.html
参考サイト
日経メディカル オンライン
学会ダイジェスト: 第13回欧州リウマチ学会
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/gakkai/eular2012/
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