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高齢者のトイレ事情

「外出が億劫になる」、これは老化の症状の一つだと言われています。外に出歩くことが少なくなると、脚力はもちろんですが、外からの刺激がなくなるころで身体だけではなく心の活力も低下すると言われています。

しかし、外出が億劫になるひとつの要因にお手洗い事情もあるのではないでしょうか?自宅にいるときのように、気がついたときに即用を足すことが出来るとは限りません。腎臓や膀胱、腸などの病気を煩う方にとっては、大きな心配事になってしまうことでしょう。ましては、介護が必要な方との外出の場合もあります。最近では、バリアフリー旅行や介護旅行、外出支援サービスなどとの人的サポート体制は整いつつあるものの、トイレをとりまく環境は、必ずしも整備されているとは言えません。

 

 

排尿や排便に介護が必要、あるいは外で待っていても長時間姿が見えない場合など、異性のトイレに立ち入らなければならないケースも少なくありません。このような際に不審者と間違われ、あわや通報されるというケースが少なくないようです。


 
このような介護者の声を受け、静岡県が「介護マーク」を広げる取り組みを始めました。同県は、2011年12月に厚生労働省に対して全国的普及を求めましたが、現段階では各県の対応はまちまち。しかし、NPOなどの地道な活動により少しずつ認知度が上がってきているようです。
 
静岡県庁のホームページによれば、以下のような折に「介護マーク」は利用されているそうです。
 
介護していることを周囲にさりげなく知ってもらいたいとき
駅やサービスエリアなどのトイレで付き添うとき
男性介護者が女性用下着を購入するとき
病院で診察室に入る際
一見介助が不要に見えるのに2人で入室するとき など
 
見かけた際には温かい目で見守りたいですね。
 
また、多機能トイレで介護・付き添いすることも、もちろん可能です。しかし、かつては障害者用とされていたトイレが、おむつ台やオストメイト用(※)施設をつけるなど機能が増え利用者自体が増えたこと、またスペースが広いため健常者が着替えなどに利用する例もあるそうで想定以上に混み合い、必要な人が必要なときに使えないというケースも増えてきているそうです。
 
介護マークの普及は厚生労働省、多機能トイレの利用状況改善は国土交通省が対応しているとのこと。縦割りのお役所仕事ではない対応を期待したいところです。また、私たち一人一人も困った人に手を目を配る、手を差し伸べるということを心がけたいものです。
 
 
※ オストメイト (Ostomate)
癌や事故などにより消化管や尿管が損なわれたため、腹部などに排泄のための開口部-ストーマ(人工肛門・人工膀胱)-を造設した人のことをいう。単に人工肛門保有者・人工膀胱保有者とも呼ぶ。

 
 
くわしい情報はこちら
 
静岡県
健康・福祉 > 高齢者・障害福祉 > 長寿政策課 > 介護マーク

http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-210/chouju/kaigoyobou/kaigomark.html
 
厚生労働省老健局高齢者支援課
「介護マーク」の普及について

http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/dl/i01_1.pdf
 
 
(F.M.)


 

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