大家重夫の世情考察

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弁護士対経由プロバイダPRIN事件

氏名不詳者により電子掲示板「2ちゃんねる」に名誉毀損書き込みがなされた弁護士が、プロバイダ責任制限法に基づき、経由プロバイダに対してしたは発信者情報の開示請求が認容された事例である。

東京地裁平成15年9月17日判決(平成15年(ワ)第3992号、判タ1152号276頁)

原告は、航空旅客手荷物運搬等を行う訴外B会社の顧問を務める弁護士である。
被告は、「PRIN」の名称で、インターネット接続サービス等の通信事業を営む株式会社である。

氏名不詳の本件発信者は、被告にインターネットでアクセスし、ウエブサイト「2ちゃんねる」内の電子掲示板に、「最悪のアルバイト会社 Part 7」という名前のスレッドに対し、原告を中傷する内容の記事(合計11本)を投稿した。
訴外B会社は、「2ちゃんねる」の訴外管理者Cを仮処分で訴えた。B会社のCに対する仮処分命令申立事件の和解となり、和解条項によりCは、本件各記事に関するアクセスログの情報を開示した。しかし、掲示板への投稿は匿名で行えるため、Cは、投稿した者につきIPアドレス以外の情報を保有していない。
原告は、上記アクセスログを被告に提出し、本件発信者の個人情報の開示を求めたが、被告は、拒否した。原告は、本件発信者に対して、名誉毀損の損害賠償請求訴訟をするためには、本件発信者の氏名、住所が必要である。そこで、原告は、被告に対し、本件発信者へインターネット接続を提供していること、被告は、プロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に該当する、とし同項に基づいて、発信者情報の開示を求め提訴した。

[東京地裁]
民事第32部井上哲男裁判長は、「したがって、発信者からウエブサーバーへの情報の送信とウエブサーバーから不特定多数の者への情報の送信を、それぞれ別個独立の通信であると考えるべきではなく、両者は一体不可分であり、全体として1個の通信を校正すると考えるのが相当である。」「両者が一体となって構成された1個の通信は、発信者から不特定多数の者に対する情報の送信にほかならないものであるから、これが『不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信』であることは明らかである。」
「発信者からウエブサーバーへの情報の送信は、発信者から不特定多数への情報の送信という『特定電気通信』の一部となると解する」とする。
経由プロバイダである被告は交換機などの特定電気通信設備を用いて、発信者と不特定多数の者の間で行われる通信を媒介した者で、「特定電気通信役務提供者」に当たるとした。 原告は、記事11本について、名誉毀損を主張したが、裁判長は、2本は、原告の社会的地位を低下させるものでないとし、次のように判決した。

「主文]

  1. 被告は、原告に対し、別紙アクセスログ目録記載1ないし6,同9ないし11の各日時ころにおいて、各IPアドレスを割当てられた電気通信設備を管理する者の氏名及び住所を開示せよ。
  2. 原告のその余の請求を棄却する。
  3. 訴訟費用は被告の負担とする。
経由プロバイダについて、最高裁平成22年4月8日判決民集64巻3号676頁もプロバイダ責任制限法2条3項の「特定電気通信役務提供者」とした。

「しずちゃん」経由プロバイダ事件

経由プロバイダが、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下、法)2条3項にいう「特定電気通信役務提供者」に該当するとした判例である。

最高裁平成22年4月8日判決(平成21年(受)第1049号民集64巻3号676頁)
東京地裁平成20年9月19日判決、東京高裁平成21年3月12日判決

被告Yは、株式会社NTTドコモである。
原告X1は、土木工事事業等を目的とする株式会社である。原告X2は、X1の代表取締役である。原告X3は、X2の妻である。原告X4は、X1の従業員である。

ウエブサイト「しずちゃん」内の電子掲示板に、原告X1ではいじめがはげしい、X2は、不貞行為をしている、X3は、従業員と不貞行為をしている、X4は暴力団と関係があるなど、という事実無根の記事を、複数の氏名等不詳の者(本件発信者)から書かれた。
Xらは、名誉毀損、プライバシー権等の人格権侵害をされているとして、原告等は、静岡地方裁判所浜松支部に対し、「しずちゃん」管理者から委託を受けたホステイング業者を相手に仮処分命令を申立てて、投稿した者のIPアドレス及びタイムスタンプ等の情報を得、これにより、本件発信者らは、被告Yの管理するサービスのユーザーで、Y経営の携帯電話からの発信と判明、X等は、東京地裁へ、Yを相手に発信者情報の消去の禁止を求める仮処分命令申立をしたが、自動消去されていたので、同地裁から却下決定がなされた。
原告等は、コンテンツプロバイダ「しずちゃん」管理者に発信者の携帯端末機の機種、シリアルナンバー及びFOMAカード個体識別子がアクセスログとして記録されているので、被告Yに、発信者等の情報を特定することが可能であるとして、経由プロバイダである、被告Yへ、発信者情報の開示を求めて訴えた。
被告Yは、被告は経由プロバイダであるから、法4条1項、法2条3号にいう「特定電気通信役務提供者」に該当しないと主張した。

1審の東京地裁民事第37部は、

  1. 被告は、「特定電気通信役務提供者」(法4条1項、2条3号)に該当しない
  2. 原告主張のFOMAカード個体識別子による情報は、法4条1項所定の「権利の侵害に係る発信者情報」ではなく、被告は発信者情報を保有していない、原告らの本件請求はいずれも理由がない

とし、原告らの各請求をいずれも棄却した。

2審の東京高裁第24民事部は、解釈を変えた。

[判決主文]

  1. 原判決を次の通り変更する
  2. 被控訴人は、控訴人X1に対し、原判決別紙アクセスログ目録(1)の表の2,3及び5の「投稿日」及び「時間」欄記載の日時における、これに対応する同表の「icc」欄記載のFOMAカード個体識別子によって特定されるFOMAカードに係るFOMAサービス契約の相手方の住所及び氏名又は名称をそれぞれ開示せよ。」とし、被控訴人は、控訴人X2、X3,X4に対しても、同様の開示をせよ

と命じ、控訴人らのその余の請求は棄却した。

最高裁(金築誠志裁判長、宮川光治、櫻井龍子、横田尤孝、白木勇)は、上告を棄却した。

[判決要旨]
「最終的に不特定多数の者に受信されることを目的として特定電気通信設備の記録媒体に情報を記録するためにする発信者とコンテンツプロバイダとの間の通信を媒介する経由プロバイタは、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律2条3項にいう「特定電気通信役務提供者」に該当する。

東京地裁平成15年9月17日判決(平成15年(ワ)第3992号判タ1152号276頁)は、経由プロバイダについて同旨の判断をしていた。

メール著作物事件

ウエブ上の記事により、著作権、著作者人格権が侵害されたとして、本件記事を掲載した者に対して、損害賠償請求権の行使のために、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、被告経由プロバイダに対し,発信者情報の開示を求めた原告が勝訴した事件である。

東京地裁平成25年3月21日判決(平成24年(ワ)第16391号)

原告は、宗教団体「ワールドメイド」の会員で、同団体の親睦団体関東エンゼル会の議長を勤めている。
被告は、イー・アクセス株式会社である。

原告は、「やっと『人形ムード』になった方も多いのではないでしょうか?」「B先生が『伊勢神業』のお取次ぎをしてくださるまでの貴重なこの時間は、私たちに『人形形代』をもっともっと書かせて頂くための時間ではないでしょうか?」などと書いた。
氏名不詳の誰かが、本件メールの全文をほぼそのまま記載した。
原告の本件メールの複製権、公衆送信権が侵害されたとして、被告イーアクセス(株)に対し、発信者情報を保有しており、原告は発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとして、訴えた。被告は、著作物性を争った。
裁判所は、開示を命じた。

[判決主文]
被告は、原告に対し、別紙アクセスログ目録記載17ないし22の各日時ころに、同目録記載のIPアドレスを使用して、同目録記載のアクセス先に接続していた者の氏名及び住所を開示せよ。訴訟費用は被告の負担とする。

宗教に関係する文章を、短いが、著作物と認めた判決で珍しい。

漫画家発信者情報開示請求事件

漫画の著作権者である原告が、インターネット上のあるブログにより、原告漫画本が無断で、アップロードされ、リンク先で本の表紙の画像とともに、著作物が掲載され、著作権(公衆送信権)が侵害されたとし、発信者を特定するため、インターネットに接続していた者について、KDDI株式会社に発信者情報の開示を請求した事件。

東京地裁平成26年1月17日判決(平成25年(ワ)第20542号)

原告は、同人サークル「Art Jam」をたちあげ、「B」のペンネームで漫画原作等を行っている者で、「本件漫画1」「本件漫画2」の著作権者である。
 被告(KDDI株式会社)は、電気通信事業者として、インターネット接続サービスやサービスプロバイダ業等を行う株式会社である。

 原告は、訴外LINE株式会社が管理するライブドアブログに開設の「どーじんぐ娘」(以下、本件ブログ)があり、誰かが、原告の漫画を原告に無断で、アップロードし、送信可能化したファイルに対するリンクが表紙の画像と共に掲載されていることを知った。
原告は、債権者となり、債務者をLINE株式会社として、発信者情報開示に関する仮処分決定を得て、

  1. 本件記事の発信者に係るIPアドレス及び
  2. 本件記事が送信された年月日時刻

の開示を受けた。
IPアドレスは、被告が管理している。被告は、プロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に当たると主張し、原告の権利侵害をした発信者を訴えるためには、被告に発信者情報の開示を求めて、訴えた。

 すなわち原告は、本件IPアドレス本件タイムスタンプの時刻に使用して、インターネットに接続していた者について、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求めた。

[東京地裁民事29部判決]
大須賀滋裁判長は、次のように判断し、「被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。」と判決した。

  1. 被告は、本件IPアドレスを管理する経由プロバイダで、法4条1項の「開示関係役務提供者」である。
  2. 本件記事に対応するダウンロードサーバーに本件漫画の電子ファイルをアップロードした者は、公衆の用に用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆通信装置の公衆送信用記録媒体に本件漫画の情報を記録(アップロード)して、原告の本件漫画を送信可能化し、自動公衆送信しうるようにしていた(パスワードは公開)ので、原告の公衆送信権侵害は明らかである。本件記事を投稿した発信者は、ダウンロードサーバーに本件漫画の電子ファイルをアップロードした者と同一人であると認めるのが相当であり、仮にそうでないとしても、少なくともアップロード者と共同して主体的に原告の公衆送信権を侵害したことは明である。
  3. 原告は、発信者に対し損害賠償請求の予定があるので、発信者を特定するため、本件IPアドレスを本件タイムスタンプの時刻に使用してインターネットに接続していた者(発信者)の住所、氏名及びメールアドレスの開示を受けるべき正当な理由がある。
LINEについては愼武宏・河鐘基「ヤバいLINE」(光文社新書・2015年5月20日)がある。

肖像写真投稿者情報開示請求事件

池田大作名誉会長の写真の著作権者である原告創価学会が、インターネット上の電子掲示板「Yahoo!知恵袋」に投稿された記事中の写真は、原告写真の複製ないし翻案であるとして、記事投稿行為は、原告の著作権(公衆送信権)侵害であり、損害賠償請求をするため、発信者情報が知りたいとして、経由プロバイダであるNTTにプロバイダ責任制限法4条1項に基づき、開示を求めた事案である。

東京地裁平成27年4月27日判決(平成26年(ワ)第26974号)

原告は、池田大作名誉会長の肖像写真の著作権者である宗教法人創価学会である。
被告は、エヌ・テイ・テイ・コミュニケーションズ株式会社(以下、NTT)である。

「Yahoo!知恵袋」に、池田大作創価学会名誉会長の写真29枚(本件写真)と名誉会長に関する記事が掲載された。
原告は、この記事を投稿した者に対し、著作権(公衆送信権)侵害の不法行為に基づき、損害賠償を求めるため、NTTに対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(=プロバイダ責任制限法)4条1項に基づいて、別紙発信者情報(発信者の氏名又は名称、発信者の住所、発信者の電子メールアドレス)の開示を請求した。

原告は、本件写真は、原告創価学会の1部門である聖教新聞所属の訴外Bの撮影したもので、著作権法15条により、著作権は原告にあるとし、本件写真が、名誉会長を揶揄し、名誉会長の容貌を晒すためだけに用いられたとし、主張した。
被告は、本件写真は、すでに公表されたものであり、著作権法32条1項の引用に該当する可能性がある、「創価学会は永遠に不滅です.2014年も素晴らしく大活躍することは魔違いないでしょう」など「原告ないし名誉会長に対する意見、批評を記載したものということもできる記述があり、本件各写真は、意見、批評の対象を明示するために必要」として掲載、「引用としての利用に該当する余地もある」と主張した。

東京地裁民事29部嶋末和秀裁判長は、本件記事の投稿で、原告の権利侵害は明白で、原告には、発信者情報の開示を受けるべき正当な事由があるとし、原告が、プロバイダ責任制限法4条1項の開示関係役務者に該当し、経由プロバイダとして発信者情報を保有する被告に対し、開示を求めることが出来るとし、原告の請求を認容し、「被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ」と判決した。

記事は、創価学会と池田名誉会長に対する「褒め殺し」のような文章である。
創価学会池田大作名誉会長の肖像写真を無断で複製、印刷物に掲載した者に対する訴訟としては、東京地裁平成19年4月12日判決(平成18年(ワ)第5024号)などがある。

「爆サイ中傷被害者の会」事件

原告の写真等が、LINE開設のブログ「爆サイ中傷被害者の会(仮」に掲載され、著作権侵害されたため、犯人に損害賠償を求め訴えるべく、LINE社から開示された電子メールアドレスを管理し、インターネットメール事業を開設運営する被告へ、犯人の発信者情報を求め、訴訟し、東京地裁が被告へ原告に対し、「発信者の住所」の開示を命じた事例である。

東京地裁平成27年5月15日判決(平成27年(ワ)第1107号)

原告(株式会社アクトコミュニケーション)は、インターネット上における商業デザイン・工業デザインの企画、制作、販売、インターネットのホームページデザインのシステム設計及び計画等を主な目的とする会社である。
被告(AOLオンライン・ジャパン株式会社)は、コンピュータ・ソフトウエアの開発、制作、販売及び保守管理等のサービスの提供、電気通信事業法に基づく第2種電気通信事業並びに付加価値情報通信網及び有償提供、インターネット接続等を主な目的として営業する株式会社で、無償でインターネットメールを開設・運営するサービスを行っている。

原告は、平成25年1月頃、「求人おきなわ」を通じて、求人募集を行う際、原告ロゴマーク、原告の社内風景等を撮影した写真(本件写真等)」を作成し、「求人おきなわ」のウエブサイトに掲載された。
平成25年1月頃、本件写真等が、原告、「求人おきなわ」に無断で、LINEが開設、運営するliveddoorブログに開設された「爆サイ中傷被害者の会(仮」というウエブログ(本件ブログ)に記事とともに掲載された。
原告は、LINE社を相手に、LINE社が開設管理するlivedoorブログ上に、本件発信者(犯人)が本件ブログ開設時の電子メールアドレスの開示を求めて、東京地裁に訴訟を提起し、 東京地裁平成26年7月23日判決(筆者未入手)は、電子メールアドレスについて原告のLINE社に対する開示請求を認める判決を下した。LINE社は、この判決を受けて、原告に対し、7月30日付け書面で、本件発信者の電子メールアドレスが「○○@○○」であることを開示した。
原告は本件メールアドレスのドメイン名登録情報から、被告が本件メールアドレスを管理していることを特定し、被告に対し、平成26年8月28日、発信者情報の開示請求を行った(筆者注、メールアドレスが、(○○@aol.com)だったと思われる。
被告は、本件発信者に対し、平成26年10月15日付け「発信者情報開示に係る意見照会書」を出して、発信者の意見を紹介したが、発信者の回答がなかった。
平成27年、原告は、被告に対し、「別紙記事目録記載の投稿記事に係る別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ」との請求の訴えを起こした。
裁判で、次の点が争われた。

  1. 被告が、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」4条1項に該当するか。

    [原告の主張]
    本件ブログは、インターネットを通じて誰でも閲覧でき、「不特定の者によってア、受信されることを目的とする電気通信の送信」といえる。法2条1号の「特定電気通信」に該当する。

    1. 本件発信者は、被告を経由プロバイダとして本件ブログを投稿していると推認される。
      本件ブログが経由したリモートホスト、電気通新設部一式は「特定電気通信の用に供される電気通信設備」で、法2条2号の「特定電気通信設備」に該当する。
    2. 被告は、イの「特定電気通信設備」を用い、本件ブログの投稿閲覧を媒介し、他人の通信の用に供しており、法2条3号の「特定電気通信役務提供者」に該当する。
    3. 以上により、被告は、法4条1項の「当該特定電気通信役務提供者」に該当する。

    [被告の主張]
    電子メール等の1対1の通信は、「特定電気通信」には含まれない。被告が「開示関係役務提供者」に該当する余地はない。

  2. 権利侵害の明白性について
    原告は、著作権侵害された。法4条1項1号に該当する。
    被告は争う。
  3. 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無。
    原告は、正当な理由がある。
    被告は、争う。

東京地裁民事29部の嶋末和秀裁判長は、次のように判断した。

  1. 電子掲示板等に係る特定電気通信設備の記録媒体に情報を記録するための当該特定電気通信設備を管理運営するコンテンツプロバイダと本件発信者との間の1対1の通信を媒介する、いわゆる経由プロバイダであっても、法4条1項にいう「開示関係役務提供者」に該当する。最高裁平成22年4月8日判決(「しずちゃん」経由プロバイダ事件)
    (2010-3).被告は、経由プロバイダである。
  2. 本件記事に掲載された本件写真は、原告の職務著作で、そのまま転載されたのであり、原告の著作権(複製権、公衆送信権)侵害は明らかである。
  3. 「発信者情報目録」のうち、「発信者の住所」について開示を受けることが必要だが、「発信者の郵便番号」については、住所が開示されれば、容易に、調査できるから、郵便番号は不要とした。

「判決主文

  1. 被告は、原告に対し、別紙記事目録記載の投稿記事に係る、別紙発信者情報目録記載1の情報及び同目録記載2の情報のうち「発信者の住所」を開示せよ。
  2. 原告のその余の請求を棄却する。
  3. 訴訟費用は被告の負担とする。」
最高裁平成22年4月8日判決(「しずちゃん」経由プロバイダ事件)(2010-3).を引用している。この事件の「本件記事」は、どういうものだったのであろうか。
原告は、約2年半、相当な努力を払って、犯人(発信者)を捉えることができた。
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中国政官データ[2016年5月版]

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)のご紹介

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)の写真

2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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