大家重夫の世情考察

 私は、実利的、功利的見地から、また、インドシナ難民を受け入れた経験から、安倍総理は、1万人受け入れる、と宣言していいと思う。
 1年に200人程度、受け入れ、親族呼び寄せを許可すれば、そのうち、子孫がうまれ、結局、1万人に達すると思う。現在、難民申請をしているが、非該当とされている者で、日本語ができ、「日本人にしてよい」と認定した者を繰入れてもよい。

 私は、1,日本は、日本国外10箇所、国内10箇所、日本語学校を合計20カ所設置し、日本定住希望者が、日本語を修得しているか、必ず日本語を学ぶと約束し、企業等が職業住居が保証された者のみを日本に入国させる条件にしたい。前者は、日本企業の者と外国人庁職員が面接して、選抜する。
2,次に、わたしは、外国人庁を新設し、外国人を所轄する部署をつくり、難民認定、定住許可の出入国管理をし、日本入国後も在住の外国人の情報を持つ部署にすべきである。
 安倍総理は、将来1万人のシリア難民の受け入れるとの政策を表明しても、構わないと考える。
第1,安倍内閣の積極的平和主義に合致する。
 緒方貞子元国連高等弁務官は、難民の受入は、積極的平和主義の一部だ、と朝日新聞の取材に答えているが、そうだと思う。
第2,日本は、アメリカとは、常に、連絡をしあい、意思の疎通があり、比較的理解し合っているが、ヨーロッパとは疎遠である。特に、ドイツ人には、日本の実像が伝えられていない(三好範英「ドイツリスク」(光文社新書・2015年))。
日本にとって、「悪夢」は、米中が手を握ることである。キッシンジャーと周恩来は「中国人は、普遍的視点をもつが、日本の視点は偏狭で」、キシンジャーが、「日本の社会は、とても特異」「ほかの人々に対して感受性が鋭敏でない」(筆者注、これは当たっている。)として、米軍の日本駐留は、日本拡張への「瓶のふた」と説いたことを忘れるべきでない。
 ドイツ、フランス、EUと日本は、現在、経済的競争以外に、特に問題はない。
しかし、メルケル首相は、北京を8回も訪問している。東京訪問の回数は、少ない。
圧倒的に前者が多い。独中が手を握ることは、米中握手ほどでないとしても、日本にとって、面白くない。
 人権重視、民主主義国であるドイツ、フランスとは、交流を密にすべきである。
 当初、ヨーロッパ諸国は、人権無視の中国へ、人権重視、民主主義を説こうとしたが、今や、商売第一になった。宮崎正弘・川口マーン恵美「なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?」(ワック・2014年)は、中国の言い分をドイツマスコミが鵜呑みにしている、と指摘する。三好範英と同じく、ドイツマスコミは偏向しているという。安倍首相は、まず、ドイツマスコミ関係者を日本に招待すべきである。またドイツを理解し、精神的な応援してみてはどうか。まず、日本人は、ドイツへ行き、シリア難民受入を称賛すべきである。話を聞き、実情を知り、難民引き受け以外で、何か役にたつこと、例えば、テント、簡易トイレ、毛布等を送る(見当違いかも知れないが)などを研究すべきである。
第3,アジアでも、シリア難民をニュージランドが700人、オーストラリアは、4年で1万8750人引き受けるという。私は、日本は、当面、毎年100人、目標10,000人受け入れを表明すべきだと思う。
 人道的見地から、奉加帳への記入という交際仲間への義理から、10,000人受け入れを表明する。
 日本が、国連の常任理事国入りを目指すならば、10,000人受け入れ宣言すべきである。実際には、日本語教育修得者の中から、経団連と相談しながら、毎年100人以上、10年かけて10,000人の適材を選んで入国させる。
第4,日本は、石油は、中東に大きく依存している。
また、中東の諸国で日本の大手ゼネコンは、ドバイで、巨大な建造物の建設を行っており、ゼネコンの職員が、中東で、相当数の労働者を雇用していた。これは、日本に連れて行ってもいいという、人もいたかも知れない。
第5,少子高齢化といわれているが、多少の歯止めになること。
中東からの難民移民などが日本語を覚え、日本社会に入っていくことについて、日本文化に刺激を与え、何か変化があるかもしれない。
第6,われわれは、中東の政治状況などの正確な情報を常時、知っている必要がある。日本人で、中東情勢に明るい人山内昌之、池内惠、内藤正典、高橋和夫など日本人研究者もいるが、中東出身の外国人で、日本語のできる者を育て、テレビや新聞、雑誌で、日本語で、我々日本人、安倍総理に、適切な助言をして欲しいのだ。


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中国政官データ[2016年5月版]

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)のご紹介

著者:大家 重夫(Shigeo Ohie)の写真

2013年 フランス ランスにて

プロフィール

1934(昭和9)年生まれ
久留米大学名誉教授・国際日本語普及
協会理事
LAIT(IT知財法務研究所)
客員研究員

京都大学法学部卒
1960年文部省(現・文部科学省)
1970年文化庁著作権課長補佐
1988年私立久留米大学法学部教授。
1995年久留米大学法学部長
2005年久留米大学特任教授・名誉教授
2011年日本ユニ著作権センターより
「著作権貢献賞」を受賞

主な著書に

  • 肖像権(1979年・新日本法規)
  • 改訂版ニッポン著作権物語(1999年・青山社)
  • タイプフェイスの法的保護と著作権(2000年・成文堂)
  • 唱歌『コヒノボリ』『チューリップ』と著作権(2004年・全音楽譜出版社)
  • 肖像権 改訂新版(2011年・太田出版)
  • 美術作家の著作権 その現状と展望
    (福王子一彦と共著・2014年・里文出版)
  • ウルトラマンと著作権
    (上松盛明氏と共編・2014年・青山社)
  • インターネット判例要約集(2015年・青山社)

などがある。

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